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「お詫び」
諸般の事情により前号から発行に間が開いてしまったことをお詫びします。
=国内=
・政府、災害対策予算を大幅増額
近年、連続で確認された国土および領海内への隕石の落下とそれに伴い被害を受け、政府は事前対策としての災害対策予算を従来の約2倍に引き上げることを決定した。これに伴い現在気象科学庁で行われている災害予測プログラムの強化が予測される。先日の政府発表によれば各種気象衛星のメンテ周期を従来の2分の1に短縮する他、海底火山調査船の運用が開始される見込み。後者については1160年の火山噴火によって甚大な被害を被った造船業界からの働きかけがあったものと思われる。
=国外=
・神聖マウロ帝国の消滅
メルキド暦1164年5月、現存する国家の中では比較的長い歴史を持つ神聖マウロ帝国が消滅した。同国はここ100年以上外交活動も見られず、国土の開発活動も見られなかったことから、かなり以前から政府としての機能を喪失していたものと思われる。政府関係者は「またしても現箱世界の歴史をになってきた国家が消滅してしまった。非常に残念なことである」とコメントしている。
・ベルーサの復興
まもなく建国から100年を迎えようとするベルーサ社会主義共和国では国土の復興がほぼ完全なものとなり産業も発展を見せている。近年では都市部の拡大が進められておりかつてのデラルーシ共和国を遥かに超える経済基盤を手にいれつつある。マーケットには豊富に物資が並ぶようになった今、政府への国民の信頼は高いものとなっているが、国内では自由主義者の活動も見受けられこれからの政治に舵取りに注目が寄せられる。
・マグザム共和国、国土の非武装化進む
前世紀の末より国内で防衛力の低さが問題となっていたマグザム共和国であるが、今世紀の前半から都市部の防衛施設の解体が始められ、現在内陸部に関してはミサイル防衛や火災対策が十分に行き届かない状態となっている。防災施設の再配置とも予測もあったが施設の跡地には高密度の居住区画が設けられていることから、居住区画拡大のために施策と考えられる。このような都市計画は世界でも珍しいものでありタヂカラオ国内では「安全無視の無謀な経済拡張計画」との評価が大勢を占めている。報道されていた国防予算の増額は短期間で終わったものと見られる。
・UFSの停滞
グダニスク連邦自由国およびアロン共和国からなるUFS(セレーニア連邦)であるがその活動に停滞が見られる。両地方政府とも元々活発な外交活動は近年見られなかったが、ここ数年に至って国内の経済活動の維持にも弊害が見られるようになっている。グダニスクにおいては複数の巨大隕石の落下に伴う被害から数十年間完全な復興が見られず、人口も最盛期から3000万人程度減少している。また、アロン共和国も災害発生に伴う職業難民を発生しており、昨年10月のタヂカラオへの難民の到着は国内で大きな話題となった。
現箱世界の国際活動は以前にもまして氷河期時代となるのだろうか。
メルキド暦1175年1月25日発行
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