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外務相承認情報開示書類4種第18772号
連邦外務省は先日デラディスタンにおいて発行されている新聞紙上で発表された本政府に対する公式な質問についてこの場で回答を行うことを通達する。
なお右質問についてはセレーニア連邦情報公開請求法第3条5項に基づく海外所在非政府組織3種(政府非公認団体)からの質問として連邦外務省対外情報開示センターが外務長官命令第2331号に則って回答を作成、本公式声明として草案を纏めた。
寄せられた質問は以下のとおりである。
1.民主に基づいたベルーサ社会主義共和国を正統国家として認めること。
2.自由デラディスタン亡命政府に対する承認の取り下げと、これに属するデラルーシ人をベルーサに引渡すこと。
3.ベルーサの不承認及び亡命政府承認を、セレーニア連邦として行った経緯を明らかにすること。
これに対する回答は以下のとおりである。
1.デラディスタンにおける代表政府は既に存在しており承認する合理性を認めない
2.自由デラディスタン政府の要員は弊国の国賓であり正当な政府からの重要かつ深刻な犯罪に基づく引渡し請求のみ認められる
3.自由デラディスタン政府の承認は連邦外務省に与えられた権限に基づいて作成された意見書を元に連邦大統領の裁可を得た議会への意見報告を基としてセレーニア連邦議会において議決された。
自由デラディスタン政府の素性についてであるが連邦外務省はもっぱらわが連邦の対外関係をつかさどる事を業務としており、他国の公式声明を作成する立場には無いことを心苦しいながらお伝えする。
ヴィクトール・レーベジ氏は彼の公式発表に基づく限り旧デラルーシ政府の一員ではない事はわが国の把握するところである。しかし政府代表の交代は一般的な国家体制においては特に問題視されるものでもない。
もちろんかつてのユークトバニアのような独裁国家では別である。
一部諸国や政治勢力において誤解が見られるためもう一度だけ連邦の政体について講義申し上げるが、現在グダニスク自由国とアロン共和国はセレーニア連邦内の一地方政府としてのみ存在している。
連邦内においては直接選挙によって選出された連邦議会と連邦大統領が政府としての機能を果たしており、したがってグダニスク政府とアロン政府が連邦の業務に口を挟むことは無い。
ゆえにグダニスク政府が承認したか、アロン政府が承認したかということはそもそも問題にはならない。セレーニア連邦政府は厳粛にして神聖な連邦市民からの信託を受けて活動しており、各地方政府の信託を受けているわけではないのである。
以上が公式な回答である。
なお連邦としては先大戦で滅んだ共産主義的独裁思想を危険視していることは諸外国も承知だろうと期待している。
またセレーニア連邦は友邦からの要請を断る国家ではなく、例えばゲリラ掃討に苦しむ友邦への支援が求められるのであれば、これに対し誠意を持って回答するだろう。
以上は外務省長官によって付言された文章であり公式な外務省見解ではない。
この全文は外務省長官と司法省対外文書管理センターによって承認され発行された。
貴殿らが連邦外務省の活動について興味をもたれたことを神に感謝しつつ、本回答が他国市民の連邦に対するよりいっそうの理解を深める結果となれば幸いである。
セレーニア連邦外務相
サルヴァトーレ・ステファン・フォン・ベーレンドルフ
外務相承認情報開示書類4種第18772号
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