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【1691】Y.B.C.Documentary 第6回 『動乱のあと』
 ヴェルーサ社会主義共和国  - 06/8/23(水) 12:33 -

引用なし
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Y.B.C.Documentary
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 第6回
『動乱のあと』

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 前説(Y.B.C.解説委員トーリャ・マトヴェイ)

 世界の誰もが滅びの旋律作戦により、ルソーを中心とした動乱に終止符がうたれることを望んでいました。
 しかし、そんな望みは叶うこともなく、ますます混迷の度合いを深めていくことになります。
 そして事態はルソー自身を離れ、各国の軋轢が深刻化するにつれて取り返しのつかない動乱へと導くことになっていったのです。

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 ユークトバニア連邦赤軍 大佐(当時北東人民軍兵士)
 「結果からいえば・・・滅びの旋律作戦は不完全なものでした。全てのルソー傀儡国を摘発できたのかどうかも解りませんでしたし、その後新たな傀儡国も生まれました。作戦の対象になった国に傀儡でない国も含まれていたかもしれません。大きな犠牲を払って決行したのに、問題はなにも解決しなかったのです」


 ルソーの傀儡国はそのほとんどが連合軍により壊滅していましたが、唯一戦後に講和条約の締結を望んだ国がありました。
 壊滅したGT国を継承して建国されたUSP合衆国です。
 連合国はUSP合衆国との講和条約の内容をめぐって紛糾しました。
 そして、草案が固まった後もグダニスク連邦自由国だけはこれに同意しようとしませんでした。


 グダニスク連邦自由国 外務相(当時)
 「私たちは、ルソーと講和条約を結ぶつもりは毛頭ありませんでした。講和などしても、かの国の本質は変わらないも、いやむしろ、条約が結ばれたことを良しとしてまたなにかしでかすかもしれない・・・そのような危惧が私たちの中にありました」


 グダニスク連邦自由国は、滅びの旋律作戦においてルソーの傀儡国家から核攻撃をうけ、膨大な経済的損失をうけていました。
 これによって、グダニスク国民の反ルソー感情は戦前以上に高まっていたことも、講和条約を拒否する政府の行動を後押ししていたのです。

 11月23日の作戦終了宣言の後も、各国は独自に傀儡国への侵攻を続けていました。
 特に、ガルバディア帝国連邦は、ルソー問題を名目に、それらしい国への侵攻を積極的に行っていました。
 ガルバディアをここまで積極的にさせていたひとつの要因がMETOとの同盟関係がありました。
 METOはガルバディアとの軍事同盟関係を、以前よりさらに強化した「MU軍事同盟」を滅びの旋律作戦終了後に宣言しており、それにつづいてガルバディア自身も、おっとっと国などと自らが作った軍事同盟の枠組みである「大皇ガ連合」に組み入れました。

 このような事象に平和機構は危機感を募らせます。
 結果的にガルバディアの統治区域が拡大し、それが帝国連邦に組み入れられていくのではないか、というのです。
 このような危惧によって、平和機構は思い切った行動にでます。
 ガルバディアが占領下においたルソー傀儡国の平和機構への加盟を認めると宣言したのです。


 神聖ガルバディア帝国 外務相(当時)
 「歴史上類を見ない暴挙であり、内政干渉でした。我が帝国が、指導権をもつべきである統治領を一方的に自分達の同盟国だから手をひけ、といってきたのです。これを侵略行為だと呼ばずしてなんというのですか」

 水夏連邦共和国 首相(当時)
 「平和機構がこのような攻撃的なことをしたのは初めてのことでしたから動揺したといえばしました。我が偉大なる連邦でも物議をかもしましたし、平和機構の行動を支持することはできませんでした」

 咎罪共和国(現ユクドレシオ共和国)政府関係者の発言(記録フィルムより抜粋)
 「ルソーはただの名目にすぎないんじゃないのですか。各国は、ルソー問題をいいことに、簡単に武力を行使することに躊躇がなくなった。これではあまりに無秩序すぎる。平和機構はいままで積極的に国際問題に踏み出したことはなかったが、ここで我々がでなくては、平和はますます遠のいてしまう・・・そんな気が私はするのです」


 平和機構は世界から非難を浴びることになりました。
 ルソーの増長に拍車をかける可能性と、そもそも領有地への権限行使など認められないと思われたからです。
 結局、平和機構は加盟を撤回するしかありませんでしたが、この一件でガルバディアと平和機構の対立が鮮明になってしまいました。

 ガルバディアの軍部は暴走していました。
 これは、平和機構の行動に世界が非難を浴びせたのをみて、自身の国際社会における支持基盤が確立されたものと錯覚していたことによるものでした。
 誰も止めることのできる者はいませんでした。
 帝国政府は、ついにルソー問題とまったく関係のない国への派兵を決定してしまうのです。

 その矛先が向けられたのは、世界大戦でガルバディアと対決した同じ帝国主義国家、クリンゴン帝国でした。
 ガルバディア政府は、前大戦の報復であるとして、勢いに乗じてクリンゴン帝国に派兵したのです。
 クリンゴン帝国は、勿論これに応戦する構えでしたが、ガルバディアの軍隊を抑える戦力はクリンゴンには無いことも明白でした。
 ガルバディア軍部は、クリンゴンを屈服させるのに時間はかからないと見ており、同時に他方への戦線をひろげても問題がないと自らを過信していました。
 これにより、平和機構に亡命を企てたルソーの傀儡国へも同時に侵攻することが決定されます。

 帝国連邦の軍隊は、一挙に二カ国へ侵攻を開始しました。
 同盟相手であったMETOは、これに何も言いませんでした。


 水夏連邦共和国 国防軍司令官(当時)
 「METOの同胞であった北東人民共和国は動揺していました。ガルバディアの行為に大儀が見当たらないからです。しかし、同盟関係のこともありましたし、ガルバディアと関係を悪くするわけにもいきませんから黙ることしかできなかったのでしょう。しかし同じMETOでも偉大なる我が連邦は違いました。混乱している今こそ、我々も徹底的にルソーを叩かねばならない・・・そう決心したんです」


 水夏連邦もガルバディアと同じくして、ルソー傀儡国と考えられていた二カ国に宣戦布告しました。
 世界各地で火の手があがり、誰もこの火を消すことができなっていたのです。
 これが、第二次世界大戦の幕開けになろうとは、誰も予想していませんでした。

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 おわりに-Y.B.C.解説委員「トーリャ・マトヴェイ」

 ルソーの深刻性が、各国の判断力を鈍らせていたのは認めざるをえないところでありましょう。
 第二次世界大戦は、誰もそれを未然に止めることができず、半ばいけいけムードで発生することとなってしまったのです。
 次回は、第二次世界大戦と、その終結後の世界情勢にスポットをあてお送りいたします。

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 Y.B.C.ドキュメンタリー
 第6回
『動乱のあと』

 製作-Yuktobanian Broadcasting Corporation

 解説-トーリャ・マトヴェイ

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Yuktobanian Broadcasting Corporation(Y.B.C.)は、
ユークトバニア連邦共和国に本社をもつ民間の国際報道誌です。
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