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稲穂新聞 第十号 849年2月10日発行
・発行元
ジャスバル帝国カーネスブルク特別市南区1-7-22稲穂新聞ジャスバル本社
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紙面
・【一面】長女春香様がご婚約を発表
・【二面】女系天皇誕生の可能性、最高裁長官は合憲とコメント
・【三面】モルドール連合王国が消滅
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『海外』
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・【三面】モルドール連合王国が消滅
先のバッカーニア危機に対して、セレーニア連邦、及びフィスタニア連邦加盟国がモルドール連合王国へと宣戦布告をした対モルドール戦争は、モルドールがターン10011に忽然と世界上から姿を消すことで事実上終結した。
政府外交筋からの情報によると、開戦前のモルドール外務省は、担当者全てが得体の知れない異様なうめき声や、呪文のようなものを唱えていて、とても外交交渉の出来る状態ではなかったとのことである。
そのことを裏付けるものとして、例の『新世界の神になる』等の発言があったのだろうと推測される。
同地域に派遣されたフィスタニア連邦軍のうち、ジャスバルからは二個師団と四個独立旅団が派遣されたが、死者は21名で留まったと、軍広報は発表した。
その内の多くは、モルドール消滅時に、突然消えた陸地からの脱出が遅れた者で、実際にモルドール軍との交戦で死亡した兵士の数は皆無だと広報は話す。
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『国内』
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・【一面】長女春香様がご婚約を発表
845年2月、カーネスブルクの御所で、皇帝陛下の長女春香様が、ご婚約を発表された。
宮内省は具体的なコメントは残していないが、稲穂新聞の調査によるとお相手は、ジャスバルの主要総合建設業の一つであるスタンダード・インダストリアル社(元ガルバディア財閥系企業)のケイジス・アスタント氏である。
アスタント氏は、620年に旧コラジバーン市(現在のジャスバル中央島)で生まれ、十八歳で神聖ガルバディア帝國へ渡り、ミュンヘン帝國大學で建築工学を学びジャスバルへ帰国。
最近では、首都カーネスブルク特別市を覆う海中ドームの建設を担当し、皇室より子爵の地位を賜った。
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・【二面】女系皇帝誕生の可能性、最高裁長官は合憲とコメント
現在、ご婚約を発表された春香様の他に、護之皇帝閣下のお子様は二人おられるが、ジャスバル帝国憲法では女性が皇帝になることを認めていない。
最高裁判所長官は、2月9日に、
「仮に女系皇帝が誕生したとしても、憲法的には何の問題もない。」
とのコメントを稲穂新聞の記者に残した。
わが社が独自におこなったアンケートによると、女系天皇を容認する声が80パーセントを超え、中には、ジャスバル人皇帝の誕生を渇望する等と言う過激な意見も寄せられた。
今回の問題は、同じ元ガルバディア帝國連邦の諸国の皇室にも、少なからず影響を与えることは間違いないとみられる。
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849年2月10日発行 ※無断転用を禁ずる
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