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Delarus Telegraphic Communication #1
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◇創刊にあたって
DelarusTelegraphicCommunicationはデラルーシに本社を置く報道機関です。
デラルーシ建国以来、国内向けの報道に従事して参りましたが、国の発展に伴うグローバル路線に相応する国際報道の拡充方針により、この度海外向け配信を開始する運びとなりました。
我々DTCは、基本方針として国内よりも海外情勢報道に重点を置き、また多角的な視野をもって情報を提供していきたいと考えております。
今後、皆様にご愛好いただければ幸いです。
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【モルドール放棄と周辺情勢】
25日、バッカーニア王国に対し最後通牒を発し、力により屈服させようとしていたモルドール連合王国が、セレーニア連邦を中心とする多国籍軍のバッカーニア防衛の意思に屈することになったのか、突如として破棄された。
国の破棄による紛争の終結は、ある意味で最悪の幕切れであったといえるだろう。
この問題に直接ないし間接的に関連した諸外国は、モルドールの行動に憤りや不快感を表明しつつも、モルドールが消失したという事実そのものは歓迎すね意向を示している。
今回の事件では概ねがモルドールに非難を集中させた。
唯一新興国のデラルーシ共和国がバッカーニアの非を指摘していたが、これに関連付ける形でタヂカラオ国がデラルーシを非難する報道を行なうなど、別方面で新たな火種を生んでいる。
(2面に関連記事)
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【デラルーシ失業難民問題】
ジャスバル帝国からの開発融資金により急速に開発がすすむデラルーシ共和国だが、経済規模の拡大と反比例する形で失業率が慢性的に高い状態が続いていた。
これにより大量の失業難民が海外に流出していたが、これに対してタヂカラオ国が世界で始めて苦言を呈する報道を行なった。
現地の報道によれば、二度にわたる難民受け入れは、タヂカラオの人口比率を侵食するほどであるとしており、タヂカラオ国民からも動揺と不満の声があがっているようだ。
また、これを指摘するに当たって、バッカーニア危機時にデラルーシが示したバッカーニアの長期間にわたる貧困への指摘を取り上げ、自らを省みない発言という切り口を用いたこともあり、両国関係が不必要に悪い方向に刺激されたようだ。
この問題について、デラルーシの政府高官は以下のように語った。
「我が国の失業難民は外国の報道にあるような貧困や無計画開発によるものではなく、全て計画的なものであって、一時的に難民となった邦人に対する保障も長期計画に含まれているため最終的には引きあげるだろう。難民受け入れ先の国々も全て「快く」受け入れているわけだから、特に問題として取り上げることはないと思われる」
今後、両国の国民感情が悪化すれば無用な対立を生むことになる可能性もあり、慎重に事態を見守る必要があるだろう。
なお、デラルーシ政府は公式な見解をいまだ表明していないが、近いうちにタヂカラオ国に直接この問題に対する態度表明を行なう見通しだという。
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【クィンヘルム協定締結】
バッカーニアへ侵攻する態度を見せたモルドールに対して、攻撃する根拠を円滑に作るため締結されたポロニア自由連合協定が、事態の収束により破棄されて間もない9日、ヴァストークとバッカーニアの相互扶助、相互不可侵を定めたクィンヘルム協定なる新協定が国際に発表された。
DTCの調査によれば、この協定を望んだのはヴァストーク側である公算が高い。
また協定内容が不可侵を除いて具体的内容がないが、ヴァストーク・バッカーニア双方に目立った利益や、国際関係に及ぼす影響が皆無であることから、本協定を望んだヴァストーク側の真意に注目が集まりそうだ。
おそらくはヴァストーク側の冒険主義的な国際外交への進出欲によるアピールに、危機を脱したばかりのバッカーニアが利用された格好なのではないだろうか。
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