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=国内=
・自動車産業の活発化
近年、タヂカラオ国内における自動車産業が進歩を見せている。これはリー大統領の提唱する「製造業の進化プログラム」に基づき、この分野への投資が増加したことによると考えられ、国内自動車大手の一社であるコムライエフ自動車(株)では、初の国産電気自動車が発売された。しかしながら、この「E-12型」モデルは一般向けの乗用車であるが、価格はUFS製の同クラス車の2倍程度であり、タヂカラオ国民の自家用車普及率の低さもあって、業界の先行きはまだまだ厳しそうだ。
=国外=
・ウスチノフ評議会議長、来訪
メルキド暦1114年1月、ベルーサ社会主義共和国の国家主席であるミハイル・ウスチノフ書記長が首都サン・ボルカノを訪問、リー大統領と首脳会談がもたれた。会談においては両国間の平和関係の維持と経済協力に重点が置かれた。会談後の記者会見においてリー大統領は「ベルーサは歴史的に見ても我が国と深いつながりを持つ国であり、タヂカラオはベルーサの自主性を尊重し、両国間の平和的関係を望む」とコメントした。また一党独裁体制をとるベルーサに対して、民主国家であるタヂカラオ国がこのような友好関係をとることはおかしいのではないのかという記者の質問に対し、リー大統領は「国内の情勢、歴史、文化、時代に合わせて、その国に適した政治体制というものあり、それが自国と異なるからといって友好関係を結ばない理由にはならない。」と答えた。今回の会談について、国内で概ね好意的に受け止めらている。
・マグザム共和国、自治州制度の廃止へ
国内人口が1億人を突破し、ますますその経済力を高めるマグザム共和国であるが、国内の自治州をメルキド歴1115年(注1)までに廃止することが発表された。マグザム共和国議会では、本自治州制度が国家分裂の危険性をはらむ制度であり、国家発展の妨げになるという意見が主流を占めているとの報道がなされているが、そのようなことは以前から分かり切ったことであり、今更になって「すぐにでも廃止すべき」などとの発言が聞かれるあたり、同国の政治家の腐敗ぶりが見て取れる。
上記自治州制度は文化面の保護を含むとされているが、元オルレアン聖教連合国民に対して今後どの程度の自由が与えられるのかに関しては不明である。また、デラルーシ人の自治州であるバーベルト自治州に関しては同国内でも有数の経済拠点となっており、結果的にデラルーシ人に経済拠点を作らせておいて、それが成熟した後に再度とりこむという形になっている。このような経済面のみを重視し、移民を労働力としてしか見ない政策が差別の結果であり、さらなる差別の温床であることは疑いようが無く、かえって潜在的反政府因子を増やすものと言えよう。若き巨大経済国家マグザム共和国は、いったいどこへ向かおうとしているのだろうか。
(注1)報道においては1015年となっているが、1115年の間違いと思われるため、この年で掲載した。
メルキド暦1114年5月15日発行
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